権利を取引すると聞いても、ピンとこない方のほうが多いと思います。しかし仕組みと注意点を理解して始めれば、投資戦略によっては、面白い取引だと言えます。
オプション取引の基本的なパターンは、次の4つです。この4つのパターンをマスターすると、複数を組み合わせた投資戦略も可能になるので、まずは基本を押さえましょう。
◎コールオプションの買い
コールオプションは、原資産をあらかじめ決められた価格で買う権利のことです。原資産の価格がいくらになっても、権利行使をすることで、あらかじめ決められた価格で買うことができます。
この権利を買うのが、コールオプションの買いです。
例えば、権利行使価格が1,000円の場合、原資産が2,000円になろうが3,000円になろうが、1,000円で買うことができます。つまり、コールオプションの買い手は、原資産の価格が上がれば上がるほど利益が大きくなります。
そのため、コールオプションの買いは損失限定、利益無限大の取引になります。
◎コールオプションの売り
先ほどのコールオプションの買いの反対が、コールオプションの売りです。
つまり、コールオプションの売り手は、コールオプションの買い手から欲しいと求められた場合、約束した金額で必ず売らなければなりません。そのため、コールオプションの売りは利益限定、損失無限大の取引になります。
◎プットオプションの買い
プットオプションは、原資産をあらかじめ決められた価格で売る権利のことです。原資産の価格がいくらになっても、権利行使をすることで、あらかじめ決められた価格で売ることができます。この権利を買うのが、プットオプションの買いです。
そのため、プットオプションの買いは損失限定、利益限定の取引となります。
◎プットオプションの売り
先ほどのプットオプションの買いの反対が、プットオプションの売りです。つまり、プットオプションの売り手は、プットオプションの買い手から欲しいと求められた場合、約束した金額で必ず売らなければなりません。
プットオプションの売り手は、原資産の価格がたとえ1円になろうとも、あらかじめ決められた1,000円で売らなければなりません。
しかし、満期日に至るまでに日経平均株価が暴落すると、プットオプションの価格が理論価格を超えて上昇します。そして、プットオプションの売り手は証拠金が足りなくなってポジションが強制決済させられ、大損させられるケースが多々あります。
そのため、プットオプションの売りは利益限定、損失無限の取引になります。
最初は混乱してイメージしづらいかもしれませんが、頭の中を整理して少しずつ取り組むことをおすすめします。
現在、日本株の個別株オプションの市場もありますが、取引はほとんど行われていないのが現状です。流動性が低いため、その時の市場価格で思った通りに売ったり買ったりがしにくいという現状があります。
これに対して、米国市場では活発に取引が行われています。
日本からもこれらの取引を行うことができます。
外国株式オプション取引ができる証券会社は限定されているので、注意が必要ですが、今後検討してみると良いかも知れません。
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